2013年度ミステリー・ザ・サード『殺人のライセンス〜あなたは誰を殺しますか〜』にご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
今回の企画の中で行われた「E-Pinミステリー大賞」を発表させていただきたいと思います。
受賞された皆さまの応募作品をお楽しみください。
また来年のご参加お待ちしております。
渋谷muse公演
探偵名
応募内容受賞作品
作品はこちら
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佳作 探偵あべふみ ミステリーストーリー
まさしみりか 暗号解読
なみ トリック考案
3位 きん トリック考案
2位 山岡士郎 トリック考案
大賞 シシィ トリック考案
宝塚ホテル公演 3位 金田一中年 暗号解読
2位 通りすがりの探偵 トリック考案
大賞 さとみ ミステリーストーリー
※ご紹介の探偵名は敬称略とさせていただきます。
※作品の権利は応募者さまに帰属いたします。無断複写・転写・その他webへの掲載などお断りいたします。

佳作:探偵あべふみ/ミステリーストーリー
E-pin出版初のベストセラー小説、「殺しのライセンス」ベストセラー記念パーティーが開かれた。
フジシロ氏の乾杯前の挨拶に、出版社からの手紙を紹介しようと開封すると、封筒にはカミソリが仕掛けられ、指を切ってしまう。中の手紙には殺人予告メッセージが…
平静を装い乾杯を促すものの、全員でシャンパンを飲み干すと、お付きの女性が苦しみだした。
指を切ってしまったどさくさで、フジシロ氏が持っていたグラスが彼女の物と入れ替わってしまったようだ。
シャンパンは乾杯前に栓を抜いたばかり、犯人は注がれた後に入れるしか方法はない。
そして、殺人予告までする犯人のことだ、シャンパンの毒殺が失敗したくらいであきらめないかも知れない。警察が駆けつけフジシロ氏を安全な所へ、残りのパーティー参加者を調べていくも証拠が出ない。

解答:実はこの殺人事件は、フジシロ氏がお付きの女性を殺すために演じられた狂言だった。
手紙を開封した際に指を切ったと思ったが、毒物をシャンパンに入れる際のきっかけにした物だった。探偵は指に巻いた絆創膏を剥ぎ取り、傷がない事を証拠にフジシロ氏を追いつめる。
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佳作:カネコミリカ/暗号解読
ある商店に届いた脅迫状。には、7×7マスに書かれた49文字が添えられていた。
その後、商店の人間ばかりが立て続けに殺される事件が起きる。
死体のそばには、必ずその商店のカレンダーが発見される。
そのカレンダーの日付は、毎月何カ所かがくり抜かれていた。
しかしくり抜かれた日付には脈絡がなく、商店の人間も心当たりのない日付であった。
12カ月を重ねても、全ての月で穴の空いている箇所はなく、7×7のマスに当てはめて読むことも出来ない。
これは、商店に宛てたものであり、かつその商店のカレンダーであることから、「商い」がヒントになっていた。
「商い」、「あきない」、つまり「秋無い」。
店の暖簾などにも実際に使われている昔ながらの洒落だが、これに倣って秋の月の9月〜11月をカレンダーから抜くと、残った月を重ねたときに穴の空く箇所が数カ所出てくる。
それを7×7のマスに当てはめて、左上から右下に向かって読むと、短い文章になる。
例えば、次のターゲットへの犯行予告文など。
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佳作:なみ/トリック考案
A:民宿管理人、犯人。
B:被害者。
C:容疑者。
食堂は1階。
管理人室は食堂の奥/内線は102/外に出るには必ず食堂を通らないと行けない。
Bは708号室。
Cの部屋の電話のボタンにプレートを貼り、電卓の並びにする⇒別送資料参照(右図)

夕食は17時だがBには15分と言う
Bが17時に来ない。寝てる事がよくある、予定を十分過ぎたら部屋に電話してとBに言われたとC達の前で言う
20時に行くと言う手紙をBの名でCの部屋に置く
Bを部屋で殺害
19時半、他の客をお茶に食堂に誘う
20時、仕事があるが、すぐ戻るので待っててと言い管理人室へ
20:10、CはBが来ないので、夕食時のAの発言を思い出し、Bの部屋に電話する。708を押すが、実際はプレートの下の番号102が押される
管理人室でCの電話に出る。Bのふりをして30分後部屋に来てと言う
食堂に戻る
20:40、CがBの死体発見。
犯行を20:10〜40と思わせる

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3位:きん/トリック考案
犯人のパソコンの防塵キーカバー付キーボードのカバーをはずし、キーボードに毒を塗り、被害者を一人部屋に残して、使わせる。→

被害者は、手についた毒が食べ物を食べた際、口に入り、死ぬ。→

犯人は、全員で被害者を発見した際、防塵カバーを毒のついたキーボードにかぶせ戻す。→

後で、新品のキーボードを交換する。(カバーはそのまま)→

毒をつけたキーボードも、いつもカバーついているので、汚れることなく新品同様なので、新品のキーボードに変えても交換したことに気付かない。→

しかし、最後は、交換したキーボードの裏側(底面)に全く汚れがついていないことから、トリックに気付き、防塵キーカバーの裏側から、毒が検出され、犯行がばれる。
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2位:山岡士郎/トリック考案
他人の指紋を利用するトリックを書く。
ボンドやガムで他人の指紋を採取できるが、指紋を取ったことがすぐに発覚する。
鏡やガラスから指紋を採取しても、きれいに取れないことが多い。

ターゲットに気づかれず、きれいな指紋を採取するには、非接触型三次元計測機を使用すればよい。
これはレーザーを照射し、物の形をスキャンするものである。ハンディタイプのものであれば、持ち運び可能だ。ターゲットが眠っている隙に手をスキャンすれば、気付かれずに全ての指の指紋や手紋を取ることができる。ハンディタイプの計測機は、精度0.05mmでスキャンでき、値段は一千万円。

さて、スキャンした指紋は、3Dプリンタで出力させればよい。
3Dプリンタは精度0.05mmのもので五十万円。

なお、人間の指紋は、溝1.1mm、幅0.46が平均なので、上記機器であれば指紋を再現できる。
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宝塚3位:金田一中年/暗号解読

ある日、民俗学教授の望月 栄一(もちづき えいいち)は4人の助教授のうちの一人が自分を殺すかもしれない、と妻に話したが「違っていたら悪いから」とそれが誰なのかは言わなかった。しかし、教授の予感通り3月30日に教授は何者かに殺されてしまった。
容疑者の助教授は以下の通り。
橋爪 健一(はしづめ 健一)穂積 悟志(ほづみ さとし)露木 和葉(つゆき かずは)綿谷 京子(わたや きょうこ)
教授の部屋の人名事典から、次のメモが見つかった。
「四月一日は穏やかに過ぎ、五月七日は爽やかになる。しかし、十五夜は八月一日に殺され、十一月二十九日は悲しむ日となろう」

解答:メモの日付らしきものは苗字になっていてそれぞれ関係者を暗示している。四月一日=わたぬき=綿谷 五月七日=つゆり=露木 十五夜=もちづき=教授自身 八月一日=ほづみ=穂積 十一月二十九日=つめづめ=橋爪」
よって犯人は穂積悟志である。
メモがあった人名事典がヒント。ちなみに十一月二十九日は、こう読む苗字が日本に存在するとされているが、実際には存在しない幽霊苗字の一つである。

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宝塚2位:通りすがりの探偵/トリック考案

無差別殺人に見せかけて、特定の者を殺すトリック
登場人物
パーティの主催者(33歳)・・・犯人
招待客A(18歳)・・・被害者
招待客B(23歳)・・・容疑者
招待客C(35歳)・・・容疑者
招待客D(30歳)・・・容疑者
招待客E(45歳)・・・容疑者
一つの会場でのパーティで外に繋がるドアは一つしかない状況で、主催者は招待客が全員席についた後で、招待客が舞台の催し物を見ている隙にドアノブに毒針を仕込む。
その後、20歳以下にしか聞こえないモスキート音を会場内に流す。
この音は招待客Aにしか聞こえないように予め作っていた音であり、その不快な音に耐えられなくなった招待客Aは途中で会場を出ようとドアノブに手をかけたところ毒針にかかって死んでしまう。

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宝塚大賞:さとみ/ミステリーストーリー

グルメ大好きOL4人組。仕事の後や休日に食事会を楽しむのが恒例。食事会では、いろんなメニューを食べれるように、シェアするようにしていた。
その日は、4人のうちの1人の婚約が決まり、ホームパーティーをすることに。食事が終わり、食後のデザートに用意された、4種類のショートケーキ。まずは、今回の主役である結婚が決まった女性から選ぶことに。
他の3人もそれぞれ好きなケーキを選ぶ。最初にケーキを選んだ女性が、いつものように他の女性のケーキを少しもらい口にすると、急に苦しみ始める。そのまま、その女性は死亡。
ケーキに毒物が仕込んであった。しかし、毒が検出されたのは、死亡した女性のケーキではなかった。
犯人は4人がいつも食べ物をシェアすることを利用し、被害者が必ず味見をさせてほしいと言うのを確信し、自分のケーキの一部に毒物を仕込んでいた。犯人は実は被害者の婚約者と以前に付き合っていて、被害者に恋人をとられたと逆恨みしていたのだ。自分が真の被害者であるとカムフラージュし、犯人ではないと印象づけるためのトリックだった。

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