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「メビウスの殺意」事件(1998年8月)

*「メビウスの殺意」事件とは、1998年8月に起きた「洋画家殺人事件」の通称である。

1998年8月ーー。
個展の開催直前に、自らのアトリエで殺害された、洋画家・坪井江草(つぼいえぐさ)当時54歳。
事件当時、アトリエが密室であったこと、本人直筆の遺書が残されていたことから、創作に行き詰まった江草が自ら命を絶ったとされた。
坪井江草の自宅兼アトリエは、静岡県の伊豆にあった。
江草が死亡したその日、防犯カメラの影像から、関係者以外の出入りがなかったことが確認されている。
坪井邸には、妻と弟子、家政婦、個展の準備のため尋ねてきていた画商、江草の友人の画家などがいたが、殺害時刻全員にアリバイがあった。

警察によって自殺とされた事件に「待った」をかけたのが、「ミステリーナイト探偵局」の探偵たちである。
「ミステリーナイト探偵局」は、1987年に誕生し、これまでに解明してきた事件は数知れず、2017年に30周年を迎える老舗中の老舗である。
この「ミステリーナイト探偵局」が、2016年秋、謎の事件を次々に解明し「探偵セミナー」などを開いて話題になっている「テリー探偵事務所」に挑戦状を叩きつけたとのこと。
「テリー探偵事務所」の看板探偵であるケイ・カタヤマがこの挑戦を受けると世間に発表し、話題になっている。

【坪井江草(1944〜1998)】
1960年代後半、日本の洋画界に颯爽とデビューし、20世紀最後の印象派画家と言われる。ヨーロッパの叙情あふれる街角をテーマに、「そこにある『路』『壁』『木立』『空』がモチーフである」という独特の画風を築いたことで知られる。
20代にヨーロッパを転々とし、絵画を学び、30歳になったのを機に帰国。その後はいっさい国外に出ることをせず、創作に打ち込んだ。
1998年、江草の絵に傾倒した画商によって、彼がヨーロッパ時代に描いた絵を探し出し、新作を含めて「坪井江草〜その開花期から現在まで」という個展を企画していた矢先、この世を去った。個展は「坪井江草遺作展」として開催された。

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