シーン3 寺井とモハメド

寺井とモハメドが会場を出ると、階段の向こうに人影が見える。
それは服部だった。「服部さん!」寺井が抱えて連れて来る。
服部は頭と鼻や口から血を流している。寺井は誰にやられたのかと問うが服部は答えない。
「それは敷島研二郎だったんじゃないのか?」声の方を向くとそれはアラブの石油王モハメドだった。一同、突然モハメドが喋ったことに「???」となる。
モハメドは突然警察手帳を取り出す。「警視庁の最羽(もは)です」
モハメドは寺井に「君も刑事なんだろ。私も同じ任務に就いている」と言う。
寺井は、小山田先生は警察OBであり、現役時代、独自の捜査で複数の殺人事件に今は敷島研二郎を名乗るあの男が関与していること、今回MMKが過去に敷島が関与したと思われる事件を取り上げることを知った小山田と、指名を受けた刑事二人が参加していることを告白する。しかし、そのもう一人の刑事がモハメドだったことは知らなかったようだ。
最羽は、このまま敷島を庇い続けるとあなたも共犯になりますと服部を諌める。諦めた服部は、天才画家・敷島が、服部が作り上げた虚構の天才画家だと告白する。

寺井は覚悟を決める。「あなたは服部さんの手当を、私は敷島を追うわ」
「君一人じゃ危険だ」
危ぶむ最羽に寺井はこう続けた。「もし生きて戻ったら、私を抱きしめてくれる?」

 ◎寺井と移動

モハメドの手当てを受けている服部が、「それより爆弾はみつかったの?」と訊く。
「GMと木林さんが探しています」
モハメドの言葉に、服部は爆弾が松の部屋にあると言う。敷島がそう言っていたというのだ。
「よし、行こう」
2人は松の部屋へ向かう。

 ◎モハメド・服部と移動